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認知率を追っても、指名が増えない理由
認知率が上がったのに、問い合わせが増えない
ブランド調査をして、認知率が前年より上がった。広報も広告も効いている。ところが、指名での問い合わせは増えていない。
こういう結果が出ることがあります。調査が間違っているわけでも、施策が無駄だったわけでもありません。測っているものが、求めているものと違うだけです。
「知っていますか」は、答えを見せている
認知率の調査は、多くの場合こう聞きます。「次の企業のうち、知っているものを選んでください」。
このとき、回答者の目の前には社名が並んでいます。見覚えがあるかどうかを判断すればいい。これは再認です。
一方、実際の購買の場面で起きているのは違います。「そういえば、こういうときどこに頼めばいいんだっけ」と考えて、自分の記憶から名前を引き出す。これが想起です。
再認は簡単で、想起は難しい。認知率が高くても想起できない、という状態が普通に起こります。
何を測ればいいか
代わりに見るのは、社名を提示しない聞き方です。
「こういうときに相談するなら、どこを思い浮かべますか」と聞いて、自由に答えてもらう。そこで名前が出るか、何番目に出るかを見る。
さらに有効なのが、手がかりを分けて聞くことです。
「Web広告といえば」で聞いたときと、「広告のデータを分析したいといえば」で聞いたときでは、返ってくる名前が変わります。前者では10番目でも、後者で1位なら、その手がかりでは勝てている。
どの手がかりで何番目か。これが実際の受注に近い指標です。
調査しなくても、代わりになる数字がある
本格的な調査には費用がかかります。手軽に見られる代替指標もあります。
指名検索の数。
社名やサービス名で検索された回数。想起されて、行動に移った数です。認知率より実態に近い。
問い合わせの初回接点。
「どこで知りましたか」を聞く。ただし、人の記憶は曖昧なので参考程度に。
直接流入の推移。
URLを直接入力、またはブックマークからの訪問。ただし計測の設定ミスでも増えるので、単独では使いにくい指標です。
このうち、一番使いやすいのは指名検索です。毎月追えて、費用もかかりません。
認知率が無意味なわけではない
念のため書いておくと、認知率がまったく役に立たないわけではありません。
まだ誰も知らない段階では、認知率の上昇そのものが進捗です。ゼロから知られていくフェーズでは意味があります。
問題になるのは、すでに一定の認知がある状態で、認知率を目標にし続けることです。この段階では、認知率を上げても指名は増えません。伸ばすべき指標が変わっています。
指標を変えると、施策も変わる
認知率を目標にすると、施策は「より多くの人に見せる」方向になります。
想起順位を目標にすると、「特定の場面と結びつける」方向になります。どういうときに使うのかを描く、その場面で繰り返し出る、といった施策です。
測る指標が、打ち手を決めます。だから指標選びは、思っている以上に重要です。
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