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AIが書いた広告文が審査に通らない理由
出てくる文章は、うまい
広告の見出しを50本出して、と頼めば、すぐ出てきます。文章としては自然で、読みやすく、それらしい。
ただ、そのまま入稿すると通りません。理由は文章の質ではなく、広告には業種ごとに言ってはいけない表現があるからです。
そしてAIは、頼まない限りそこを考慮しません。「良い広告文を書いて」と指示すると、良い広告文を書きます。良い広告文と、審査に通る広告文は別物です。
引っかかる典型
最上級・断定。
「日本一」「必ず」「絶対に」「No.1」。根拠を示せない最上級表現は、多くの媒体で止まります。根拠があっても、調査の出典を明示できないと通りません。
効果の保証。
「〜が改善します」「〜になります」。特に健康・美容・金融の分野では、この形が強く制限されます。言い換えの型を持っていないと、毎回書き直しになります。
誇大な数値表現。
「たった30日で」「わずか1万円から」。強調の副詞が付くと、同じ数字でも判定が変わることがあります。
業種特有の規制。
不動産は表示のルールが細かく、金融は特有の審査があり、医療・美容には法令上の制限があります。ここは一般的な文章力とは無関係の知識です。
通らない理由を、指示に書いておく
解決の方向は単純で、禁止事項を先に指示に入れることです。
実際に使っている指示には、こういう条件を入れています。
- 最上級表現と断定表現は使わない
- 効果や結果を保証する言い方をしない
- 数値を使う場合は、与えたデータの値のみを使う
- 強調の副詞(たった、わずか、圧倒的に)を付けない
- 対象業種で使えない語は、あらかじめ列挙して除外する
これを毎回書くのは大変なので、業種ごとに指示の型を作って使い回しています。
それでも、最後は人が見る
指示を整えても、全部は防げません。
理由は、審査の基準が媒体ごとに違い、しかも運用で変わるからです。去年通っていた表現が今年は止まる、ということが普通に起きます。ルールを文章化しきれない。
だから、入稿前に人が通す工程は残しています。ここを自動化しようとすると、非承認が増えて、結局そのリカバリに時間を取られます。
実際に効いたのは、事例の蓄積
一番効果があったのは、過去に指摘を受けた表現を集めて、言い換え例とセットで一覧にしたことでした。
「この言い方は止まった → こう書けば通った」という対応表です。これを指示に含めると、生成される文章がかなり実用的になります。一般的なルールより、実際に止まった具体例のほうが効きます。
つまり、AIに任せられる範囲を広げたのは、AIの性能ではなくこちらが持っている記録でした。運用の経験がそのまま資産になる、という意味では分かりやすい構造だと思います。
速くなるのは、たたきを出すところ
現実的な使い方は、ゼロから完成品を出させることではありません。
方向性を決めて、数を出させて、そこから選んで整える。この「数を出す」ところが速くなります。人が0本から10本考えるより、30本から10本選ぶほうが早い。
審査に通すのは、そのあとの工程です。
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