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評価項目を数えたら、基準の説明がほとんど空欄だった

評価項目を数えたら、基準の説明がほとんど空欄だった

感覚ではなく、数える

「うちの評価制度は形骸化している」という話は、多くの会社で聞きます。ただ、どこがどう問題なのかは、感覚で語られることが多い。

あるご支援先で、評価項目を全社分・全項目で棚卸ししました。100人規模、項目数は数千。これを項目名で名寄せして、何種類あるかを数えました。

出てきた数字が、議論を一気に具体的にしました。

出てきた数字

名寄せした結果、ユニークな評価項目は約800種類ありました。

そのうち、ほぼ全員が持っている項目は7種類だけでした。協調性、積極性、責任感といった、どの部署でも共通する項目です。

一方で、1人しか持っていない項目が半数以上を占めていました。部署ごと、職種ごとに項目が作られていった結果です。

そして、8割以上の項目で、基準の説明が空欄でした。項目名はあるが、どういう状態なら何点なのかが書かれていない。

「バラバラなのに、曖昧」

この3つの数字が示しているのは、こういう状態です。

項目は極端に細分化されている。個人ごとに違う項目で評価されている。 なのに、測る物差しは定義されていない。基準が書かれていないので、評価者の解釈に委ねられる。

細かく分けたのは、一人ひとりを正しく評価するためだったはずです。ところが基準がないので、細かくした意味が消えている。

さらに、全員が持つ項目の中にも問題がありました。同じ項目名なのに、説明文が十数通りに分かれているものがあった。同じ言葉で違うことを測っていたことになります。

数字にすると、議論が変わる

この結果を共有したとき、反応が変わりました。

「形骸化している」という感覚的な話が、「800種類のうち8割が基準未定義」という具体的な話になる。何から手をつけるかが、自然に決まります。

現状の診断に、まず時間を使う。これが結論です。改善案を考える前に、今どうなっているかを数える。

見直しの方向

数字が出たあと、設計の原則を5つ決めました。

1. 項目を減らし、証拠を増やす。
項目数を絞り、代わりに根拠となる事実の記載を求める。

2. 基準は行動で書く。
「優れている」ではなく「◯◯をしている」という形にする。

3. 測れるものは、評価表から追い出す。
売上や件数は、システムから取れます。評価表に転記させる必要がない。

4. 評価と育成を分ける。
処遇を決めるための点数と、成長の方向を示すマップを分ける。ただし同じ語彙でつなぐ。

5. 一次判定を機械に任せ、人は調整と対話に集中する。

目指す状態

行き着く先のイメージは、「機械が埋める薄い表と、人は判断と対話だけ」という形です。

記入に数時間かかっていたものを、30分にする。浮いた時間を、評価面談そのものに使う。

評価制度の目的は、点数をつけることではなく、人が育つことです。手続きに時間を取られると、本来の目的に使う時間がなくなります。

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