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人事評価をAIで一次判定し、人が調整する

人事評価をAIで一次判定し、人が調整する

評価は、書く側も見る側も重い

人事評価の時期になると、全社の時間が大きく取られます。

本人が記述を書く。一次評価者がコメントを書く。役員が確認する。100人規模でも、相当な工数です。

しかも、書き方の上手い人が高く評価されやすいという偏りがあります。実際の働きより、記述の巧拙が効いてしまう。

ここを、AIの一次判定で改善できないか、という取り組みです。

三層に分ける

設計した流れは3段階です。

第1層:AIによる仮判定。
本人の記述から、機械的に点数の案を出します。判定の根拠として、記述のどの部分を見たかを引用として残す。

第2層:評価者による調整。
一次評価者と役員が、仮判定を見て調整します。ここで重要なのが、調整幅を制限することです。上下1段階まで、理由の記入を必須にする。そして、元のAI判定は消さずに残す。

第3層:判定できないケースの個別対応。
育休中、期の途中での異動、記述が極端に少ないなど、機械では判断できないものはヒアリングで確定します。

調整を残す理由

第2層で「調整できる」ようにしているのは、意図的です。

機械の判定だけで確定させると、評価者が納得しません。現場の事情を知っているのは評価者で、記述に現れない貢献があります。

一方で、調整を無制限にすると、結局これまでと同じになります。だから幅を1段階に限り、理由を必須にする。

AIの判定と、調整後の点数の両方を残すことで、後から「どこが調整されたか」が見えます。調整が特定の部署に偏っていれば、それも分かる。

記述の上手さに引っ張られる問題

やってみて分かった課題もあります。

AIは記述から判定するので、書くのが上手い人は高く出ます。これは人が読んでも同じですが、機械のほうが影響が大きいかもしれません。

対策として、判定の指示に「事実として書かれている行動のみを根拠にする」「抽象的な意欲表明は加点しない」といった条件を入れました。完全には解消しませんが、緩和はできます。

また、行動の記録が別のデータとして残っている業務については、そちらと突き合わせる設計にしています。記述に頼らない判断材料を持つ、ということです。

判定基準を先に公開する

運用で大事なのが、判定の基準を先に全員に示しておくことです。

どういう状態なら何点なのか。これが事前に分かっていれば、結果への納得が違います。逆に、判定されてから基準を説明すると、後付けに見えます。

基準そのものも、抽象的な形容詞ではなく、行動の記述で書くようにしました。「積極的である」ではなく「◯◯をしている」という形です。

制度を全部変えない

最後に、進め方の話です。

評価制度の全体を一度に変えると、社内の抵抗が大きくなります。だから、まず一部の項目だけで試す。

新しい方式が機能することを確認してから、範囲を広げる。既存の制度は段階的に移行する。この順番にしないと、途中で止まります。

制度は、正しさだけでは動きません。

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